2026年9月14日月曜日

死後事務委任と遺言執行の担当者が別の場合に起こる実務上の難しさ

 人が亡くなった後の手続きには、大きく分けて「死後事務」と「遺産の承継に関する手続き」があります。



たとえば、葬儀、病院や施設への支払い、携帯電話や電気などの解約、住居の整理といったものは死後事務として行われます。

一方、預貯金の払戻しや遺贈、相続財産の管理などは、遺言がある場合には遺言執行者が中心となって進めることがあります。

この二つを同じ人や同じ事業者が担当している場合は、比較的情報をまとめやすいのですが、死後事務を行う担当者と、遺言執行者またはその代理人が別の場合、実務上は思った以上に調整が必要になります。

いままさに半年もかかって死後事務完了の通知がきたのにまさかのクレジットカードの明細が不明という茫然自失の状態です。相続人の弁護士にはせかされているのにさらに待たせることになってしまう状況😔請求内容開示請求断られたなら先に言えよって💦




一番大変なのは「お金の境目」です

特に問題になりやすいのが、亡くなった後に支払われた費用です。

たとえば、クレジットカードの引落しが死亡後に行われていたとしても、その中身が

・生前に利用した医療費
・入院中に購入した物品
・携帯電話の利用料
・死亡後も継続していたサービス料金
・端末代金などの分割払い

といったように混在していることがあります。

単に「死亡後に引き落とされたから死後事務費用」と判断できるわけではありません。

反対に、死亡前に発生した費用であっても、誰が立て替えて、どの口座から支払われ、その後どのように精算されたのかを確認しなければならないことがあります。

死後事務の担当者しか分からない情報がある

死後事務を実際に行った担当者には、

「どこへ連絡したか」
「何を解約したか」
「何を立て替えたか」
「どの請求を支払ったか」

という情報が集まっています。

ところが、遺言執行者側からすると、それらの情報が自動的に共有されるわけではありません。

領収書や請求書、クレジットカードの明細などが十分に整理されていなければ、後になって一つずつ確認することになります。

特に相続人や受遺者が複数いるケースでは、

「この支払いは誰が負担すべきものなのか」

を説明できる資料が必要になることがあります。

遺言執行者側は「説明できる状態」にしておく必要があります

遺言執行者やその代理人の立場では、

「死後事務の担当者が支払ったので、そのまま処理しました」

だけでは済まない場合があります。

後から相続人などから、

「これは何の支払いですか」
「なぜ遺産から支払われているのですか」
「死亡後の費用ではありませんか」

と尋ねられる可能性があるからです。

そのため、金額がそれほど大きくなくても、請求書や明細などの根拠資料を確認する必要があります。

これが担当者が分かれている場合の大きな負担の一つです。

役割分担自体が悪いわけではありません

もちろん、死後事務の担当者と遺言執行者が別であること自体に問題があるわけではありません。

むしろ、それぞれが専門分野を担当するという意味では合理的な場合もあります。

ただし、その場合には、

死後事務完了時に、領収書、請求書、利用明細、解約書類、立替金の一覧などを整理して引き継ぐことが非常に重要です。

「手続きが終わった」ということと、

「第三者にも説明できる状態になっている」

ということは、必ずしも同じではありません。

最後の資料整理が意外に重要です

死後事務では、葬儀や役所の手続き、ライフラインの解約など、目に見える手続きに意識が向きがちです。

しかし、その後に遺言執行や相続手続きが続く場合には、最後の資料整理まで含めて引継ぎをしてもらえると、その後の手続きがかなりスムーズになります。

実際の実務では、数か月前の引落しについて、

「これは何の支払いだったのか」

を後から調べるだけでもかなりの手間がかかります。

死後事務と遺言執行は別の手続きですが、実際にはかなり密接につながっています。

そのため、担当者が異なる場合ほど、お互いの業務範囲を明確にし、資料と情報をきちんと引き継ぐことが重要だと感じます。

もちろん、同一人物、同じ会社に任せるのが一番です。


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