成年後見制度 全5回
親が認知症になったとき、財産の管理や自宅の売却はどうすればよいのでしょうか。
「親が施設に入るので、自宅を売却したい」
「成年後見人はどこまでの手続きをしてくれるの?」
「後見・保佐・補助は何が違うの?」
「これから成年後見制度が変わると聞いたけれど、本当?」
成年後見制度については、このような疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか。
成年後見制度は、認知症などによって判断能力が十分でない方の権利や財産を守り、生活を法律的に支援するための制度です。
また、本人が元気なうちに将来の支援をお願いする相手を決めておく「任意後見制度」もあります。
このシリーズでは、成年後見が必要になる場面から、後見人の仕事、後見・保佐・補助の違い、2026年の制度改正まで、全5回にわたってご紹介しました。
各記事を一覧にまとめましたので、気になるところからご覧ください。
成年後見・任意後見シリーズ・全5回
第1回 親が認知症になったら自宅は売れる?成年後見が必要になるケース
親が認知症になった場合、子どもが代わりに自宅を売却できるのでしょうか。
認知症と診断されたからといって、直ちに不動産を売却できなくなるわけではありません。
大切なのは、本人が売買の内容を理解し、自分で判断できるかどうかという点です。
成年後見制度が必要になる場合や、成年後見人が本人の居住用不動産を売却する際の家庭裁判所の許可について解説しています。
第2回 成年後見人は何をする人?できること・できないことを解説
成年後見人には、具体的にどのような仕事があるのでしょうか。
預貯金や不動産などの財産管理、施設への入所契約、生活や療養に必要な手続きなどが主な仕事になります。
一方で、成年後見人だからといって、本人に代わって何でも決められるわけではありません。
医療行為への同意など、成年後見人の権限には含まれないことについても解説しています。
第3回 成年後見・保佐・補助の違いは?判断能力によって何が変わる?
成年後見制度には、「後見」「保佐」「補助」という3つの類型があります。
本人の判断能力の程度によって、支援する人の権限や、支援を受ける範囲が異なります。
後見人・保佐人・補助人は、それぞれ何ができるのか。
本人の同意が必要になるのはどのような場合なのか。
現行制度における3つの類型の違いについて、わかりやすく整理しています。
第4回 2026年改正で成年後見制度はどう変わる?後見・保佐の廃止と新しい補助制度
2026年6月、成年後見制度を大きく見直す法律が成立しました。
今回の改正では、現在の後見・保佐制度を廃止し、補助制度を中心とする仕組みへの見直しが行われます。
また、必要な支援の範囲を定めることや、一定の場合に制度の利用を終了できる仕組みなども設けられます。
これまでの制度と何が違うのか、どのような考え方に変わるのかを解説しています。
なお、2026年10月現在、主要な制度改正はまだ施行されていません。
第5回 2026年改正で任意後見はどう変わる?監督人・補助との関係を解説
任意後見制度は、本人に判断能力があるうちに、将来の財産管理や生活に必要な手続きを誰に任せるかを決めておく制度です。
2026年の制度改正では、この任意後見制度についても見直しが行われます。
任意後見開始の審判という新しい仕組みや、任意後見監督人の取扱い、法定の補助制度との関係などが変わります。
また、本人の意思を尊重する仕組みについても、より具体的な規定が設けられます。
現在の任意後見制度と改正後の制度を比較しながら解説しています。
まとめ
成年後見制度は、判断能力が十分でない方を支援し、その方の権利や財産を守るための制度です。
ただし、成年後見人が選任されれば、本人の財産を自由に使えるようになるというものではありません。
あくまでも本人のために、必要な支援を行うことが基本になります。
また、本人の判断能力や必要な支援の内容によって、利用する制度も異なります。
2026年には成年後見制度の大きな改正が行われましたが、主要な改正部分は今後施行される予定です。
そのため、現在の制度と改正後の制度を区別して理解しておくことも大切です。
さらに、将来の判断能力の低下が心配な場合には、本人が元気なうちから任意後見契約などを検討する方法もあります。
大切なのは、制度を利用すること自体を目的にするのではなく、本人がどのような生活を望み、どのような支援を必要としているのかを考えることです。
このシリーズが、成年後見や任意後見について考える際の参考になれば幸いです。
