住宅ローンを借り換えたら?不動産の登記はどうなる?
毎月返している住宅ローン。
最近、金利の見直しや返済額の軽減を考えて、今の銀行から別の金融機関への借り換えを検討している。
「借り換えをすると、毎月の返済が少し楽になるかもしれない」
そう思って銀行に相談してみたところ、
「借り換えのときは登記も必要になります」
と言われた。
「えっ? ローンを借り換えるだけなのに、登記が必要なの?」
「何の登記をするの?」
「費用はどれくらいかかるの?」
こうした疑問を持たれる方も多いと思います。
実は、住宅ローンの借り換えでは、単に新しい銀行と契約を結ぶだけでは終わりません。
今のローンに付いている抵当権を抹消し、新しいローンのために新たな抵当権を設定する登記が必要になるのが一般的です。
今回は、住宅ローンの借り換えと不動産登記の関係について、分かりやすくご紹介します。
そもそも「借り換え」って何?
住宅ローンの借り換えとは、今借りている住宅ローンを、新しい金融機関からのローンで返済し直すことです。
例えば、A銀行で借りている住宅ローンを、より金利条件のよいB銀行のローンで完済し、その後はB銀行に返済していく、というようなケースです。
このとき、今のローンは完済されるので、A銀行の抵当権は役目を終えます。
一方、新しくお金を貸すB銀行としては、返済を確保するために、同じ不動産に新たな抵当権を設定したいと考えます。
そのため、借り換えでは通常、
これまでの抵当権を消す登記
新しい抵当権を付ける登記
の両方が必要になります。
借り換えで必要になる登記は?
借り換えで中心になるのは、次の2つの登記です。
① 抵当権抹消登記
今の住宅ローンを完済したあと、現在付いている抵当権を消すための登記です。
抵当権は、ローンを完済しても自動的には消えません。
そのため、法務局へ抵当権抹消登記を申請する必要があります。
② 抵当権設定登記
新しい金融機関から借りるローンについて、新たな抵当権を設定する登記です。
新しい銀行は、この抵当権を担保としてお金を貸します。
つまり、住宅ローンの借り換えでは、**「古い抵当権を消して、新しい抵当権を付ける」**という流れになるのです。
家の名義も変わるの?
ここは誤解しやすいところです。
住宅ローンの借り換えは、通常、不動産の所有者を変える手続きではありません。
あくまで、ローンを貸している金融機関が変わることに伴って、担保である抵当権を入れ替える手続きが中心です。
そのため、通常は、
所有権移転登記
売買による名義変更
などをするわけではありません。
ただし、借り換えのタイミングで不動産の持分や名義関係を変更したい場合には、別の登記が必要になることがあります。
例えば、夫婦の共有持分を見直したい場合や、離婚・相続・贈与など別の事情がある場合です。
その場合は、借り換えとは別に、必要な登記を検討することになります。
借り換えの登記はいつするの?
通常は、新しいローンの実行日、つまり借り換え資金が実際に動く日に合わせて手続きを行います。
例えば、B銀行から借りたお金でA銀行のローンを完済する日です。
この日に、
A銀行の抵当権抹消登記に必要な書類を受け取り
B銀行の抵当権設定登記に必要な書類を整え
法務局に申請する
という流れになります。
実務上は、抹消と設定を同じタイミングでまとめて申請することが多くなります。
なぜなら、新しい金融機関は、自分の抵当権がきちんと設定されることを前提に融資を実行するからです。
抵当権抹消登記には何が必要?
法務局は、住宅ローン完済後の抵当権抹消について、金融機関から受け取る書類を確認して速やかに申請するよう案内しています。一般に、必要書類として、登記原因証明情報、委任状、登記識別情報または登記済証などが挙げられています。
借り換えの場面でも、今の金融機関から、抵当権抹消に必要な書類が交付されるのが一般的です。
例えば、
解除証書
弁済証書
委任状
登記識別情報または登記済証
などです。
これらの書類を使って、古い抵当権を抹消する登記を行います。
新しい抵当権設定登記には何が必要?
新しい金融機関の抵当権を設定するためには、一般に、
金融機関との金銭消費貸借契約書
抵当権設定契約に関する書類
不動産の所有者に関する本人確認書類
住民票など住所を証明する書類
委任状
などが関係してきます。
具体的にどの書類が必要かは、金融機関や事案によって異なります。
また、金融機関ごとに用意される書式が決まっていることもあります。
そのため、実際には金融機関や司法書士の案内に従って準備を進めることが多いでしょう。
住所や氏名が変わっていたらどうなる?
ここは見落としやすいポイントです。
法務局は、抵当権抹消登記について、現在の所有者の氏名・住所が登記記録上の所有権登記名義人の記録と一致していない場合には、先に住所・氏名の変更の登記等が必要になると案内しています。
例えば、
家を買った後に引っ越した
結婚して氏名が変わった
相続が起きているのに登記が未了
といったケースです。
このような場合には、抵当権抹消や抵当権設定だけでなく、前提となる変更登記なども必要になることがあります。
借り換えの登記は、現在の登記名義人の情報が整っていることが前提になることがあるので、早めに確認しておくと安心です。
登録免許税はどれくらいかかる?
借り換えに伴う登記では、登録免許税がかかります。
抵当権抹消登記
抵当権抹消登記の登録免許税は、不動産1個につき1,000円です。
例えば、
土地1筆
建物1個
に抵当権が付いている場合には、通常は合計2,000円になります。
抵当権設定登記
抵当権設定登記の登録免許税は、原則として**債権金額の0.4%**です。
例えば、借入額が2,000万円なら、原則として8万円です。
ただし、一定の住宅用家屋については、0.1%の軽減措置が適用される場合があります。
借り換えであっても、この軽減措置の対象になるかどうかは、住宅の要件や手続の条件を確認する必要があります。
登録免許税以外にどんな費用がある?
借り換えのときに必要なのは、登録免許税だけではありません。
例えば、
司法書士報酬
金融機関の事務手数料
保証料
印紙代
必要書類の取得費用
などがかかることがあります。
そのため、金利が下がるからといって、必ずしもすぐに得になるとは限りません。
借り換えを検討するときは、毎月の返済額だけでなく、登記費用や諸費用を含めた全体のコストを見ることが大切です。
借り換えの登記を自分でできる?
法律上、登記を本人が申請すること自体は可能です。
ただし、住宅ローンの借り換えでは、古い抵当権の抹消と新しい抵当権の設定を、融資実行日に合わせて正確に進める必要があります。
また、金融機関ごとに必要書類や進め方が細かく決まっていることもあります。
そのため、実務上は、司法書士が関与して進めることが多い手続きです。
特に、新しい金融機関の立場からすると、担保設定を確実に行うことが重要になるため、手続の正確さが求められます。
借り換え前に確認しておきたいこと
住宅ローンの借り換えを考えている場合は、次の点を確認しておきましょう。
今の住宅ローンの残高はいくらか
借り換え後の金利や返済条件はどうなるか
登記名義人の住所・氏名に変更はないか
土地と建物の登記内容はどうなっているか
抵当権抹消と設定の費用はどのくらいかかるか
金融機関から求められる書類は何か
借り換えによるメリットが諸費用を上回るか
このあたりを事前に整理しておくと、借り換えの判断がしやすくなります。
まとめ 借り換えでは「抵当権の入れ替え」がポイント!
住宅ローンを借り換えるときは、単に銀行を変えるだけではありません。
今のローンを完済して、古い抵当権を抹消し、新しい金融機関のために新たな抵当権を設定する登記が必要になるのが一般的です。
また、住所や氏名が変わっている場合には、前提となる変更登記が必要になることもあります。
「住宅ローンの借り換えをしたい」
「借り換えのときにどんな登記が必要なのか知りたい」
「抵当権抹消と抵当権設定の費用を確認したい」
そんな場合は、まず現在の登記内容と、金融機関から案内される条件を確認してみましょう。
借り換えでは、金利だけでなく、登記費用や手続全体を見て判断することが大切です。
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