2026年9月18日金曜日

相続登記④ 相続登記の過料を払えば終わり?払った後も登記は必要です

 相続登記の過料を払えば終わり?払った後も登記は必要です



2024年4月1日から、相続登記が義務化されています。

正当な理由がないのに期限内に相続登記をしなかった場合には、10万円以下の過料が科される可能性があります。

そこで、こんな疑問を持たれる方もいるかもしれません。

「過料を一度払ってしまえば、もう相続登記をしなくてもいいの?」

結論からいうと、そうではありません。

過料を支払っても、相続登記をする義務そのものがなくなるわけではありません。

今回は、相続登記の過料を支払った後はどうなるのか、分かりやすく説明します。

過料を払っても相続登記の義務は残ります

相続登記の義務と、義務違反に対する過料は別のものです。

相続によって不動産を取得したことを知った場合、原則として3年以内に相続登記を申請する必要があります。

正当な理由なく、この申請義務に違反した場合に10万円以下の過料の対象となる可能性があります。法務省も現在このルールを案内しています。

そのため、

相続登記をしなかった
↓
過料を科された
↓
過料を支払った

としても、それだけで相続登記の手続きが終わったことにはなりません。

過料を払っても名義は変わりません

ここが一番分かりやすいところです。

例えば、亡くなった父名義の自宅について相続登記をせず、過料を支払ったとしても、

登記簿上の名義が自動的に相続人へ変更されるわけではありません。

父名義のままです。

名義を相続人へ変更するためには、別途、必要な相続登記を行わなければなりません。

つまり過料は、

「お金を払えば登記をしなくてもよくなる制度」

ではありません。

「10万円払えばそのままでいい」ということではありません

相続登記の過料は、法律上の義務に正当な理由なく違反した場合に科される可能性がある行政上の制裁です。

一般にいう刑事事件の「罰金」とは異なります。

そして、過料を支払ったことと、不動産の登記名義を変更することも別の話です。

ですから、

「登記するのが面倒だから、10万円払ってそのままにしておこう」

ということはできません。

期限を過ぎたら、すぐに10万円かかる?

これも誤解されやすいところです。

期限を過ぎた瞬間に、自動的に10万円の請求が来るわけではありません。

法務省の運用では、登記官が申請義務違反を把握した場合でも、直ちに裁判所へ過料通知をするのではなく、まず相続登記をするよう催告することとされています。

その催告に応じて相続登記をした場合には、過料通知は行わない運用とされています。正当な理由がある場合も同様です。

したがって、

「期限を1日過ぎれば必ず10万円」

という制度ではありません。

ただし、期限内に相続登記をすることが法律上の原則であることには変わりありません。

一度過料を払った後も登記をしなかったら?

ここは少し注意が必要です。

過料を一度支払った後も、相続登記の義務そのものは残ります。

一方で、同じ未登記状態について、一度過料を支払った後に再び過料が科されるのかという点については、私が確認した法務省の一般向け公表資料では明確な説明を確認できませんでした。

そのため、

「一度払えば二度と過料はない」

とも、

「登記するまで何度でも過料が科される」

とも、ここでは断定しません。

ただ、少なくとも、

「一度過料を払ったから、もう登記しなくてもいい」

とはならない点は重要です。

登記しないままだと別の問題も残ります

過料だけが問題ではありません。

相続登記をせずに長期間放置していると、その間に相続人が亡くなり、さらに次の相続が発生することがあります。

すると、相続人の人数が増えたり、必要な戸籍が増えたり、普段付き合いのない親族との話し合いが必要になったりすることがあります。

法務局も、相続が重なることで相続人が増え、調査や話し合いに時間がかかることや、不動産をすぐに売却できないなどの問題が生じると案内しています。

今なら比較的簡単にできる相続登記が、何年か後には複雑になっていることもあります。

不動産を売却するときにも困ります

亡くなった方名義の不動産を相続人が売却する場合には、通常、先に相続登記を行います。

過料を支払っていたとしても、登記名義が亡くなった方のままであれば、この問題は解消されません。

「売る予定がないから今はそのままでいい」

と思っていても、将来急に売却することになったとき、相続人の確認や戸籍収集に時間がかかることもあります。

相続登記は、できるときに済ませておく方が後々の負担を少なくできることがあります。

遺産分割がまとまらない場合は?

「登記しなければならないのは分かっているけれど、誰が不動産を相続するか決まっていない」

という場合もあります。

そのような場合に利用できる制度として相続人申告登記があります。

相続人申告登記については、前回の記事

「相続登記を放置するとどうなる?」

で詳しく説明していますので、そちらをご覧ください。

※ここに3本目の記事へのリンクを入れる

2027年3月31日の期限にも注意

2024年4月1日より前に発生した相続も、相続登記義務化の対象です。

2024年4月1日より前から不動産を相続したことを知っていた場合には、原則として

2027年3月31日

までに相続登記をする必要があります。

2026年9月現在、期限まで半年ほどとなっています。

特に、

「親が亡くなってから何年も名義を変えていない」

「祖父母名義の土地が残っている」

という場合には、一度登記内容を確認しておくことをおすすめします。

芦屋市で相続登記がまだお済みでない方へ

松岡司法書士事務所では、芦屋市を中心に、西宮市・神戸市東灘区などで相続登記のご相談を承っています。

「昔の相続だけれど、今からどうすればいいのか分からない」

「戸籍をどこまで集めればいいか分からない」

「2027年3月31日の期限が気になる」

という段階でもご相談いただけます。

最初からすべての書類をそろえていただく必要はありません。

お手元にある固定資産税の納税通知書、権利証、戸籍などを確認しながら、必要な手続きを整理していきます。

初回相談は無料です。

ご自宅などへの出張相談にも対応しています。

電話でいきなり相談するのが苦手という方は、メールからでもお気軽にお問い合わせください。


相続登記や相続手続き全般の詳しくは、松岡司法書士事務所の「相続手続き」ページもご覧ください。


松岡司法書士事務所のホームページはこちら


松岡司法書士事務所
芦屋市を中心に、西宮市・神戸市東灘区などに対応
相続登記・戸籍収集・遺言・成年後見・死後事務などのご相談を承っています。