裁判所に提出する書類の作成も司法書士の仕事?
これまで、不動産登記や商業登記など、司法書士の代表的な仕事をご紹介してきました。
ところで皆さん、司法書士が裁判所に提出する書類も作成していることをご存じでしょうか?
「裁判所のことなら弁護士さんじゃないの?」
そう思われる方も多いかもしれませんね。
もちろん、裁判や法律トラブルの解決は弁護士の大切な仕事です。
でも実は、司法書士にも裁判所に提出する書類を作成するという仕事があります。
今回は、あまり知られていない司法書士の「裁判所提出書類作成業務」についてご紹介します。
裁判所に提出する書類って、どんなもの?
裁判所と聞くと、テレビドラマに出てくるような法廷を想像するかもしれません。
しかし、裁判所で扱うのは、人と人との争いだけではありません。
例えば、家庭裁判所では、相続放棄や成年後見など、私たちの暮らしに関係するさまざまな手続きを扱っています。
こうした手続きを利用する際には、申立書などの書類を裁判所に提出する必要があります。
司法書士は、法律に基づいて、これらの書類を作成する仕事をしています。
具体的にはどんな仕事があるの?
代表的な例をいくつかご紹介します。
① 相続放棄の申述書類の作成
亡くなった方に借金があり、相続したくない場合などには、家庭裁判所で相続放棄の手続きを行うことがあります。
相続放棄は、原則として自分のために相続が始まったことを知ったときから3か月以内に行う必要があります。
司法書士は、その申述書などの作成をお手伝いできます。
② 成年後見開始の申立書類の作成
認知症などによって判断能力が十分でなくなった方について、成年後見制度の利用を検討する場合があります。
家庭裁判所へ成年後見開始の申立てを行う際には、申立書や財産に関する資料など、さまざまな書類が必要です。
こうした書類の作成も司法書士の仕事です。
③ 相続財産清算人などの選任申立書類の作成
亡くなった方に相続人がいない、または相続人がいることが明らかでない場合などには、家庭裁判所で相続財産清算人の選任が必要になることがあります。
司法書士は、このような家庭裁判所への申立書類の作成にも関わっています。
④ 民事裁判に関する書類の作成
司法書士は、家庭裁判所だけでなく、簡易裁判所や地方裁判所に提出する訴状、答弁書、準備書面などの作成も業務としています。
このように、裁判所提出書類の作成といっても、その内容は幅広いんですね。
司法書士は裁判の代理人にもなれるの?
ここは少し注意が必要です。
司法書士が裁判所に提出する書類を作成することと、裁判で本人の代理人になることは別の業務です。
司法書士は、裁判所提出書類の作成を通じて、本人が行う手続きを支援します。
一方、法務大臣の認定を受けた司法書士は、訴額140万円以下の一定の民事事件について、簡易裁判所で訴訟代理などを行うことができます。
ただし、家庭裁判所での手続きについて、司法書士が弁護士と同じように代理人になれるわけではありません。
「書類の作成を依頼するのか」
「代理人として交渉や裁判を任せたいのか」
この違いによって、相談先も変わってきます。
裁判所の手続きは自分でもできる?
もちろん、裁判所への申立てや書類の作成を、ご自身で行うこともできます。
裁判所のホームページには、申立書の書式や説明資料なども公開されています。
ただし、手続きの種類によって必要書類は異なりますし、事情によっては追加資料が必要になることもあります。
「家庭裁判所に申し立てたいけれど、書類の書き方が分からない」
「必要な戸籍や資料をどう集めればいいの?」
そんなときに、司法書士へ書類作成を依頼するという方法もあります。
まとめ
司法書士というと、登記の専門家というイメージが強いかもしれません。
でも、登記以外にも、裁判所提出書類の作成という大切な仕事があります。
相続放棄や成年後見など、普段の暮らしに関係する手続きも少なくありません。
司法書士は、書類作成を通じて、皆さんが法律上の手続きを進めるお手伝いをしています。
今回の記事で、司法書士の仕事をまた一つ知っていただけたらうれしいです。
