権利証(登記識別情報)をなくしたら?家や土地は売れるの?
家の売却を考えて、不動産会社から言われたひと言。
「それでは、権利証を用意しておいてください」
ところが……。
「あれ? 権利証ってどこにしまったっけ?」
家中を探しても見つからない!
「もしかして、権利証がないと家を売れないの?」
「法務局に行けば再発行してもらえる?」
こんなとき、どうすればいいのでしょうか?
まず、結論からお伝えします。
権利証をなくしてしまっても、家や土地を売却することはできます。
ただし、通常とは異なる手続きが必要になる場合があります。
今回は、権利証を紛失した場合の対処方法について、分かりやすくご紹介します。
そもそも権利証って何?
不動産を購入したときなどに受け取る、大切な書類。
一般に「権利証」と呼ばれているものです。
昔は「登記済証」という書類が交付されていましたが、現在は原則として「登記識別情報」が通知される仕組みになっています。
登記識別情報は、英数字を組み合わせた12桁の符号で、登記手続きの際に本人であることを確認するために使用されます。
つまり、昔の権利証に相当する役割を持つものです。
不動産の売却などで所有権移転登記を申請するときに、必要になることがあります。
権利証をなくしたら再発行できる?
ここは注意が必要です。
権利証(登記済証)や登記識別情報は、紛失しても再発行してもらえません。
法務局にお願いしても、新しく発行してもらうことはできないのです。
「そんな大切なものなのに、再発行できないの?」
と思われるかもしれません。
でも、安心してください。
権利証をなくしたからといって、不動産の所有権までなくなるわけではありません。
また、不動産の売却や贈与などの登記手続きが、一切できなくなるわけでもないのです。
権利証がなくても家や土地を売れる?
はい。売却することは可能です。
ただし、権利証や登記識別情報を提出できない場合には、本人確認のための別の手続きが必要になります。
代表的な方法として、次のようなものがあります。
① 司法書士による「本人確認情報」
不動産の売却などの登記を司法書士に依頼する場合、司法書士が所有者本人であることを確認し、「本人確認情報」を作成して法務局へ提出する方法があります。
司法書士は、本人確認書類や面談の内容、不動産を取得した経緯などを確認し、本人確認情報を作成できるか判断します。
法務局がその内容を相当と認めた場合には、権利証がなくても登記手続きを進めることができます。
ただし、通常の登記費用とは別に、本人確認情報の作成費用がかかることがあります。
② 法務局の「事前通知制度」
もう一つ、「事前通知制度」という方法もあります。
これは、登記申請後に法務局から登記名義人へ通知を送り、本当に本人の意思による申請なのかを確認する制度です。
通知に対して、定められた期間内に本人から所定の申出があれば、手続きを進めることができます。
ただし、この方法では登記申請後の確認が必要となるため、通常より時間がかかります。
また、不動産売買では、代金の支払いと所有権移転登記の申請を同じ日に行うことが一般的です。
そのため、事前通知制度が売買の取引に適しているとは限りません。
実際に不動産を売却する場合には、事前に司法書士へ相談しておくことが大切です。
権利証をなくしたら、誰かに勝手に売られる?
これも心配になるところですね。
「権利証を誰かに拾われたら、自分の家を勝手に売られてしまうのでは?」
でも、権利証を持っているというだけで、簡単に他人の不動産を売却できるわけではありません。
不動産の名義変更には、本人確認や登記に必要な書類など、所定の手続きがあります。
ただし、権利証と一緒に実印や印鑑登録証なども紛失した場合には、特に注意が必要です。
また、登記識別情報の符号を第三者に知られたおそれがある場合には、その登記識別情報を失効させる制度もあります。
不正に利用される具体的な心配がある場合は、法務局や司法書士へ早めに相談しましょう。
権利証がないと分かったら、まず何をする?
権利証が見つからない場合には、次のことを確認しましょう。
本当に紛失したのか、もう一度保管場所を確認する
権利証(登記済証)なのか、登記識別情報通知書なのかを確認する
現在の登記内容を確認する
不動産を売却する予定がある場合は、早めに司法書士へ相談する
特に、不動産会社との売買契約が進んでいる場合には、権利証がないことを早めに伝えておくことが重要です。
売買の直前になって紛失が分かると、本人確認の準備などに時間がかかり、取引の日程に影響する場合もあります。
まとめ 権利証をなくしても、不動産は売却できます!
権利証や登記識別情報は、大切に保管しておくべきものです。
しかし、紛失してしまったからといって、不動産を売却できなくなるわけではありません。
司法書士による本人確認情報の作成など、別の方法で登記を進められる場合があります。
「権利証がどこにも見当たらない」
「家を売りたいけれど、登記識別情報をなくしてしまった」
「昔購入した土地の権利証が残っていない」
そんな場合でも、まずは現在の登記内容と必要な手続きを確認するところから始められます。
▶ 司法書士とは?どんなときに相談する人?|松岡司法書士事務所
