不動産の名義人が亡くなっていることが分かったら?
実家の土地について、ちょっと調べることがあって登記簿を取ってみた。
すると、所有者の欄には、ずいぶん前に亡くなったおじいちゃんの名前が……。
「えっ? この土地、まだおじいちゃんの名義だったの?」
てっきり父親の名義になっていると思っていたのに、何十年も前の名義のまま。
こんな場合、どうすればいいのでしょうか?
実は、昔の相続登記がされないまま、不動産の名義が何年も変わっていないケースがあります。
でも、ご安心ください。
亡くなった方の名義のままでも、相続関係を調べて必要な手続きを進めることはできます。
亡くなった人の名義がそのまま残るのはなぜ?
不動産の所有者が亡くなっても、登記簿の名義は自動的には変わりません。
相続による名義変更、つまり「相続登記」を行う必要があります。
以前は相続登記が義務ではなかったため、
「そのうち手続きすればいいだろう」
「家族のものなんだから、別に困らないし……」
と、そのままになってしまうこともありました。
そして何年、何十年と経過した結果、登記簿には亡くなった方の名前が残っているというわけです。
まずは誰が相続人なのかを確認!
こうした場合、最初に行うのが相続人の調査です。
亡くなった方の戸籍などを集めて、誰が相続人だったのかを調べます。
例えば、祖父が亡くなったとき、相続人が祖母と子ども3人だったとします。
その後、祖母も亡くなり、子どものうち1人も亡くなっていたら……。
今度は、その亡くなった方の相続人も確認する必要が出てきます。
相続登記をしないまま時間が経つと、関係する相続人が増えてしまうことがあるのです。
そのため、昔の名義が残っている場合には、まず相続関係を整理することが大切です。
今の家族の誰か一人の名義にできる?
「それなら、今住んでいる私の名義にすればいいんじゃない?」
そう思われるかもしれません。
ただ、必ずしも自由に名義を変更できるわけではありません。
遺言書の有無や相続関係を確認したうえで、遺産分割協議が必要になる場合があります。
遺産分割協議を行う場合は、原則として相続人全員で話し合う必要があります。
相続人が遠方に住んでいたり、長い間連絡を取っていなかったりすると、手続きに時間がかかることもあります。
相続登記は義務化されています!
ここで、もう一つ大切なお話があります。
2024年4月1日から、相続登記が義務化されました。
不動産を相続によって取得したことを知った場合、原則として、そのことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
しかも、義務化される前に発生した相続も対象です。
2024年4月1日より前に相続による取得を知っていた不動産については、原則として2027年3月31日までに相続登記をする必要があります。
なお、2024年4月1日以降に初めて相続による取得を知った場合は、その日から3年以内となります。
正当な理由なく義務に違反した場合には、10万円以下の過料が科される可能性もあります。
「昔の相続だから関係ない」というわけではないので、注意が必要です。
相続人が多くて話がまとまらない場合は?
相続人が何人もいて、すぐには話し合いがまとまらないこともあります。
そんな場合に利用を検討できるのが「相続人申告登記」という制度です。
これは、一定の書類を提出して、自分が登記名義人の相続人であることなどを法務局に申し出る制度です。
期限内に申し出ることで、申出をした人について、相続登記の基本的な申請義務を果たすことができます。
ただし、相続人申告登記は、正式な相続による名義変更の代わりになるものではありません。
不動産を売却する場合などには、別途、相続登記が必要です。
まとめ 昔の名義のままでも、まずは確認から!
登記簿を見たら、何十年も前に亡くなった人の名義だった。
そんな場合でも、まずは落ち着いて現在の相続関係を確認することが大切です。
ただし、時間が経過するほど、相続人の調査や書類の収集が複雑になることがあります。
「祖父の名義の土地が残っている」
「誰が相続人なのか分からない」
「相続登記をしていない不動産がある」
そんな場合は、早めに手続きを確認しておくと安心です。
