2026年10月20日火曜日

登記のこんなときどうする?④ 共有名義の不動産を一人の名義に変更したいときは?

 

共有名義の不動産を一人の名義に変更したいときは?

夫婦で購入した自宅や、親子で所有している土地。

購入したときは特に気にしていなかったけれど、年月が経って、こんなことを考えるようになった。

「この家、そろそろ私一人の名義にできないかな?」

「親と共有している土地を、自分の名義にまとめたいんだけど……」

また、離婚をきっかけに、夫婦共有名義の自宅をどちらか一方の名義にしたいという場合もあります。

では、共有名義の不動産を一人の名義に変更することはできるのでしょうか?

結論からいうと、可能です。ただし、単に名前を書き換えるだけでは済みません。

そもそも共有名義って何?

共有名義とは、一つの不動産を複数の人が所有している状態のことです。

例えば、夫婦で自宅を購入して、

  • 夫の持分が2分の1

  • 妻の持分が2分の1

というように登記されている場合です。

この場合、夫も妻も、それぞれ自宅の所有権の一部を持っています。

つまり、一人の名義にするためには、もう一人が持っている「持分」を移転する必要があるのです。


共有名義を一人にするには?

代表的な方法には、次のようなものがあります。

① 贈与によって持分を移す

例えば、親子で共有している土地について、親が自分の持分を子どもに無償で譲る場合です。

この場合は、贈与による持分移転登記を行います。

ただし、贈与税がかかる場合があるので注意が必要です。

② 売買によって持分を移す

共有者の一人が、もう一人の持分を買い取る方法です。

例えば、兄弟で共有している不動産について、兄が弟の持分を買い取るケースなどが考えられます。

この場合は、売買による持分移転登記を行います。

売買代金の決め方や、譲渡所得税などにも注意が必要です。

③ 相続によって持分を取得する

共有者の一人が亡くなった場合には、その方の持分が相続の対象になります。

相続人や遺言書の内容、遺産分割協議の結果などによっては、残された共有者がその持分を取得し、一人の名義になることもあります。

この場合は、相続登記が必要になります。

④ 離婚に伴う財産分与によって持分を移す

夫婦で共有している自宅について、離婚に伴う財産分与によって、夫または妻の一方に持分を移すケースです。

この場合は、財産分与を原因とする持分移転登記を行うことがあります。

ただし、財産分与であっても税金の問題が生じる場合があります。

例えば、不動産を渡す側に譲渡所得税がかかることもあるため、事前の確認が大切です。

※離婚に伴う自宅の名義変更については、第5回で詳しく取り上げます。


家族同士なら簡単に名義変更できる?

「親子なんだから、名前を変えるだけでいいんじゃない?」

「夫婦で話し合って決めたんだから、すぐ変更できるでしょ?」

そう思われるかもしれません。

ところが、家族間であっても、不動産の持分を移転するには法律上の原因が必要です。

単に「一人の名義にしたい」という理由だけで、自由に書き換えられるわけではありません。

また、家族間の売買だからといって、極端に安い金額で持分を譲ると、贈与税の問題が生じる場合もあります。

そのため、どのような方法で名義を変更するのか、事前に確認しておくことが大切です。


住宅ローンが残っていたら?

ここは特に注意したいところです。

例えば、夫婦共有名義の自宅について、住宅ローンがまだ残っている場合です。

このようなケースでは、所有権の名義変更だけでなく、金融機関との融資契約も確認する必要があります。

住宅ローンが残っている不動産の名義を変更する場合、融資契約によっては金融機関の事前承諾が必要です。

金融機関に無断で名義変更を行うと、契約違反となり、場合によっては「期限の利益」を失って、住宅ローンの残額を一括返済するよう求められるおそれもあります。

また、不動産を一人の名義に変更しても、住宅ローンの債務者が自動的に変わるわけではありません。

住宅ローンが残っている場合は、名義変更をする前に必ず金融機関へ相談し、必要な承諾を得ておきましょう。


まず何を確認すればいい?

共有名義を一人に変更したい場合は、まず次の点を確認しましょう。

  • 現在、誰がどれだけの持分を所有しているのか

  • 他の共有者は名義変更に同意しているのか

  • 贈与・売買・相続・財産分与など、どの方法によるのか

  • 住宅ローンや抵当権が残っていないか

  • 名義変更によって税金が発生する可能性はないか

これらを確認することで、どのような手続きが必要になるのかが見えてきます。

なお、贈与税や譲渡所得税などについては、必要に応じて税理士や税務署への確認も大切です。


まとめ 共有名義を一人にするなら、まずは方法の確認から!

共有名義の不動産を一人の名義に変更することはできます。

ただし、贈与・売買・相続・離婚に伴う財産分与など、その方法によって必要な書類や手続き、税金が異なります。

「親子の共有名義を解消したい」

「夫婦共有の家を一人の名義にしたい」

「離婚に伴う財産分与で自宅の名義を変更したい」

「兄弟で共有している土地を整理したい」

そんな場合は、いきなり名義変更の手続きを始めるのではなく、まずは現在の登記内容と、どのような方法で持分を移すのかを確認することが大切です。


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