結婚・離婚で名字が変わったら?不動産の登記も変更するの?
結婚して名字が変わった。
市役所への届出も済ませたし、銀行口座や運転免許証の名前も変更した。
「これで全部終わったかな?」
ところが、ふと思い出したことが……。
「そういえば、私の名義になっているマンションはどうなるの?」
結婚前に購入したマンションや、親から相続した土地。
名字が変わったら、不動産の登記も変更する必要があるのでしょうか?
実は、2026年4月1日から、不動産の所有者の氏名変更登記が義務化されています。
今回は、結婚や離婚で名字が変わった場合の不動産登記について、分かりやすくご紹介します。
結婚して名字が変わったら登記も変更するの?
はい。原則として、氏名変更登記が必要です。
例えば、結婚前に「山田花子」という名前でマンションを購入したとします。
その後、結婚して「田中花子」になった場合。
戸籍や住民票の名前が変わっても、登記簿の所有者欄が自動的に変更されるとは限りません。
登記簿には、以前の「山田花子」という名前が残っていることがあります。
この場合に行うのが、登記名義人の氏名変更登記です。
なお、名字が変わったからといって、不動産の所有権が配偶者に移るわけではありません。
あくまで、同じ所有者の名前を変更する手続きです。
離婚して旧姓に戻った場合は?
離婚によって結婚前の名字に戻った場合も、基本的には同じです。
例えば、登記簿に「田中花子」と記載されていた方が、離婚によって「山田花子」に戻った場合。
不動産の所有権はそのままでも、登記簿の氏名を変更する必要があります。
ただし、ここで注意したいことがあります。
離婚に伴う氏名変更と、財産分与による名義変更は別の手続きです。
例えば、妻が自分名義で所有しているマンションについて、離婚により妻の名字が変わるだけなら、氏名変更登記の問題です。
一方、夫名義の自宅を財産分与によって妻が取得する場合には、所有権移転登記が必要になります。
この2つは混同しないようにしましょう。
【重要】2026年4月から氏名変更登記が義務化!
ここが今回の大切なポイントです。
2026年4月1日から、不動産の住所・氏名の変更登記が義務化されました。
不動産の所有者は、結婚や離婚などによって氏名が変わった場合、原則として変更日から2年以内に登記をする必要があります。
いつまでに変更すればいいの?
変更した時期によって期限が異なります。
① 2026年4月1日以降に名字が変わった場合
原則として、名字が変わった日から2年以内に氏名変更登記をする必要があります。
② 2026年3月31日以前に名字が変わっていた場合
実は、義務化される前の氏名変更も対象になります。
この場合は、原則として2028年3月31日までに変更登記を行う必要があります。
また、正当な理由なく義務に違反した場合には、5万円以下の過料が科される可能性があります。
「結婚したのはもう何十年も前だから関係ない」
というわけではないので、注意が必要です。
「スマート変更登記」という新しい制度も!
2026年4月1日から、もう一つ新しい制度が始まりました。
その名も「スマート変更登記」です。
これは、あらかじめ法務局へ「検索用情報の申出」をしておくことで、法務局が住民基本台帳ネットワークの情報を確認し、所有者本人の了解を得たうえで、職権で住所や氏名の変更登記を行う仕組みです。
つまり、一定の手続きをしておけば、結婚や引っ越しなどで氏名・住所が変わるたびに、自分で変更登記を申請する負担を減らすことができます。
しかも、検索用情報の申出や職権による変更登記には登録免許税がかかりません。
ただし、注意点もあります。
検索用情報を申し出たからといって、すぐに登記簿の名前が変わるわけではありません。
法務局による確認は定期的に行われ、職権登記には本人の了解も必要です。
また、不動産の売却などで早急に氏名変更登記が必要な場合は、自分で変更登記を申請する必要があります。
制度の詳しい内容は、法務省のホームページでも確認できます。
氏名変更登記にはどんな書類が必要?
結婚や離婚によって名字が変わった場合、一般的には次のような書類を使用します。
氏名の変更を証明する戸籍謄本・抄本など
必要に応じて住民票などの住所を確認できる書類
登記申請書
実際に必要となる書類は、氏名の変更経緯や登記簿の記載内容によって異なります。
例えば、結婚後に引っ越しもしていた場合には、氏名だけでなく住所の変更登記も必要になることがあります。
また、結婚・離婚を何度か経験している場合には、現在の氏名に至るまでの経緯を確認するため、追加の戸籍などが必要になることもあります。
自宅を売却するときに名字が違っていたら?
例えば、結婚前に購入したマンションを売却しようとした場合です。
不動産会社から登記簿を確認するように言われ、見てみると、所有者の名前が旧姓のまま。
「これって、売却できないの?」
そんな心配をされるかもしれません。
でも、ご安心ください。
登記簿の名前が旧姓のままでも、必要な氏名変更登記を行うことで、売却の手続きを進められます。
ただし、通常は所有権移転登記の前提として、氏名変更登記が必要になります。
そのため、売却の直前になって気づくと、追加の書類を準備しなければならない場合があります。
不動産を売却する予定がある方は、早めに登記簿の氏名を確認しておくと安心です。
まずは登記簿を確認してみましょう
結婚や離婚によって名字が変わった方は、まず不動産の登記内容を確認してみましょう。
確認したいのは、次のようなことです。
登記簿に現在の氏名が記載されているか
旧姓のままになっていないか
住所も以前のままになっていないか
スマート変更登記の対象になっているか
近いうちに不動産を売却する予定がないか
特に、結婚前に購入した不動産や、昔相続した土地などを所有している方は、一度確認しておくとよいでしょう。
まとめ 名字が変わったら、不動産の登記も確認を!
結婚や離婚で名字が変わった場合、戸籍や住民票の名前を変更するだけでなく、不動産の登記についても確認が必要です。
2026年4月1日からは氏名変更登記が義務化され、以前に名字が変わっていた方も対象となっています。
また、新しく始まったスマート変更登記を利用できる場合もあります。
「結婚して名字が変わったけれど、登記は昔の名前のまま」
「離婚して旧姓に戻ったので、不動産の名前も変えたい」
「何十年も前の名前が登記簿に残っている」
そんな場合は、まず現在の登記内容を確認するところから始めましょう。
